ジャガーギター
ジャガーギターというのは、フェンダー社が1962年に当時のハイエンド機種として発売したエレクトリックギターです。ジャガーギターのボティシェイプ、トレモロニットは兄弟機種のジャズマスターと共通ですが、ショートスケールのネック、専用ピックアップ、ピックアップON・OFFスイッチ等の仕様が異なる。ジャズマスターより音のエッジのたった、歯切れの良く鋭いトーンがサウンドの特徴です。ブリッジの手前に、登場時流行したパッド式のミュートが標準装備されているのも特徴ではありますが、演奏途中で切り替えるブリッジが移動するのと同じ効果が現れ、音程が上がるという欠点がありました。その為このユニットを取り去ってしまうギタリストも多く、他のモデルには波及しませんでした。
ジャガーギターを愛用したアーティストはザ・ビーチボーイズのカール・ウィルソンを筆頭に、サーフィン&ホット・ロッド・ミュージック、国内ではブルージーンズ結成当時の寺内タケシや加藤邦彦も使用していました。
しかし、弦振動がボディに伝わりにくいブリッジやトレモロの構造が災いして、同社の先発商品である「テレキャスター」「ストラトキャスター」に比べてサステインに乏しく、ロック音楽が次第に伸びのあるギターサウンドを求めていくにつれて人気が衰え、1975年に製造中止になりました。
ジャガーギターの型番は現在まで一貫してJG66〜と銘打たれていますが、実際には1963〜64年の仕様(バインディングの無いネック、ラウンド貼りフィンガーボード)を基にしている。ヘッドのフェンダーロゴは、どういうわけか金文字に黒縁のトランジションロゴではなく、金と黒の配色が逆のモダンロゴがつけられています。ちなみにミュートは省略されています。
最盛期の勢いこそなくなりましたが、その後もジャガーギターを愛用するアーティストは現れ続け、1990年代初頭にはニルヴァーナのカート・コバーン、ザ・バードヤーズのクリス・ドレヤ、ソニック・ユースのサーストン・ムーア、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテ、チバユウスケ、SUGIZO、HYDE、BONNIE PINK、そしてザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガー。
ある意味で、ジャガーギターはその後のエレキギターと音楽の方向性を決定したターニングポイントとも言える名機です。
なによりもあのジャガーの名前を冠している時点で、回りくどい説明は不要というものでしょう。